東京23区朝散歩紀行

🪐🪐(DoSayWhatDoSay)と申します。以後お見知りおきを。

 

朝の散歩がとにかく好きだ。

「朝」と言ってもカンカン照りで空が青く、目玉焼きでも焼いちゃおうカナ。みたいな元気な方ではなく、暗い空が徐々に明るくなっていくあの時間帯の方。

何の当てもなくフラッと外に出て、静まり返った住宅街を歩く。遠くにはコンビニの光、新聞配達のバイクの音。徐々に明るくなってくる空と、まだ点いている街灯... 

 

ハァ................

 

最高。 

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この時間帯を経過順に、暁(あかつき)→東雲(しののめ)→曙(あけぼの)と呼ぶらしい。

「春は曙」で有名な曙もこの時間。そういえば中学生の時、国語の資料集に載っていた気がする。
当時は貴族が食べていた食事(蒸しアワビや高盛りのごはんなど)に夢中になっていたため薄っすらとしか覚えていない。

 

「ふ~ん」と色々調べるうちに、私はこの夏、"とある事"に気が付いた。

AKATSUKI ・ SHINONOME ・ AKEBONO 

 

...

 

A ・ S ・ A (朝)だ。

(再現)

そう、ASAなのである。

よく走っている新聞配達のアレもASA。どう考えても朝日新聞から取っているネーミングなので想定はしてないと思うが、変な親和性を感じる。

どうでもいい気づきではあるが、私はこれを「もっと朝の散歩に行け!」という天命だと受け取った。

自分が住んでいる町、横浜ではかなりいい朝の景色が見れる。海もあれば、ちょっと自転車を走らせるだけで自然あふれるベッドタウン。歴史のある建造物から最新のショッピングモールまでなんでもござれ。

しかし、飽きている。そりゃあもうってくらい飽きている。
この町で生まれ、20年間を横浜と共にした私は朝どころか昼・夕・夜・深夜のほとんどを体験してしまった。

 

嗚呼、新しい景色が見たい────

見たことのないような景色が────

 

という訳で、夏休みのほぼ全てを注ぎ込み、朝の東京23区を巡って来た。写真は23区各地の区役所たち。建物スマブラではない。


この記事では各地で撮影したGOODな風景や、散歩を通して考えたこと感じたことを書いていこうと思う。久々に自由研究をやっている気分!

それぞれの区を回った記録については、別途で記事にしているので下記のリンクより是非。

linktr.ee  

 

 

絶妙なバランスで東京に縁がない人生だった。

 

濃く塗ったエリアが東京都で、赤い点は実家 / 青い点は祖父母の家が位置している。こうしてみるとわざと避けているとしか思えない配置だ。

何かが少しズレていれば都民だったかもしれない。

葛飾区)

東京23区と聞いて、どんな町の姿をイメージをするだろうか。私の様な都外出身は漠然と「渋谷」「新宿」みたいなエンタメシティTOKYOを想像してしまう。

(杉並区)

だが、実際に散歩してみるとそうでもない。究極に栄えてるエリア(歌舞伎町とか)を除けば、夜にはお店が閉まるし、みんな眠りにつく。

住宅街はなおさらで、お店がある!と思って近づいても、大抵がコインランドリー。たまに餃子の無人販売もある。

(世田谷区)

だからこそ、目的もなく散歩をしていると、普段よりも町の景色に目が向く。

(文京区)

東京は各区が個性的なカラーをまとっていて、もっと言えば区内であっても30分も歩けば異なる表情を持つ町が現れる。人口ナンバーワンの首都というだけあり、人々の多様な生活が町に色を塗るかのように映し出されている。

練馬区

「今日は何が見れるかな~」と、毎日0時を過ぎたあたりで東京に向かった。
都民以外が朝の東京を見るためには、終電で前乗りをするか、徒歩自転車などのフィジカルパワーに頼る必要が有る。

(豊島区)

朝の散歩は、自宅周辺や友達と遊んで終電を逃した後、旅行先のホテルで変に早い時間に目が覚めてしまったときみたく、どこにも行けない時間だから発生する行為とも言える。

今回自分がやっていることは、言ってしまえばバグ技だ。世界が想定していないタイミングで自分がいるはずのない場所にいる。

(新宿区)

だからこそ、朝の景色には限られた人しか味わうことのできない特別感があった。

ただ、バグ技には代償がついてくる。(生活リズムがハチャメチャになって、デカい夏風邪を引いた。)

(港区)

今年の夏は記録的猛暑で、日が落ちてからでもとんでもない暑さだった。少し歩くだけで、Tシャツがお味噌汁の油揚げみたいにフニャフニャになる。

(渋谷区)

何度も行く中で、着替えを持ち歩き、公園でササッと着替えることを覚えた。海でやるようなことを住宅街でする、夏は時に人を大胆にさせるのサ...

墨田区

そんな暑さの中、散歩のために往復4時間とか自転車に乗っていため、夏を懸けた長い散歩が終わるころには、8キロほど痩せていた。みんなも朝散歩ダイエットで本を書いて、一攫千金を目指せ!

 

 

急にYouTubeになったわけではない。
町は適当に歩いていても「良い!!」と心に響く物や瞬間が無数にある。いくつかご紹介。

台東区

・捕まってる囲碁

 

板橋区

・飛び立つ大量のハト。
・その理由である、とうもろこしが撒かれた公園。

 

葛飾区)

・モンチッチ公園。

・モンチッチ公園?

・乗れるモンチッチ。

・ファイヤーモンチッチ。

 

板橋区

・商店街のアーケードの中、ビカビカに照らされている書割りのひまわり畑。
・工事している感じも相まって「本を読めば世界の見え方が変わる」の風刺画のよう。

・もしくは、サラリーマンが見ている夢。お疲れ様です。

 

(足立区)

・この感じで潰れている。駐車場が現役で稼働していることもあり、近づくまで気がつかなかった。ゾクゾクする。

 

江東区

・肉コラージュ。大迫力である。

 

中央区

・猫の抜け殻・気配。

 

荒川区

・ギチギチに詰められたガードレール。

・太陽光で充電するタイプのライトが勝手に光っていて、火花みたいになっていた。

 

(目黒区)

・メッセージを伝えてくれるサボテン。

 

(品川区)

・大井駅前にかつてあった商店街「サンピア」。

・再開発で多くのお店が取り壊され、今は看板だけが残っている。

・かつてお店が入っていた場所はスッポリとくり抜かれ、まだ登り切っていない朝日を見ることができる程度には何もない。

 

以上、町の名シーン集10選でした。

 

ということで、夏をほぼすべて費やした23区朝散歩の様子をお届けした。
記事をまとめる都合上、23区全部の写真を使うことはできなかったが、散歩の記録は他の記事 にもまとまっているので、良ければぜひ覗いてみてもらいたい。

たくさん散歩をしたが、取りこぼした景色もまだまだあるだろう。

東京を全部を見るには、夏どころか人生をフルベットしても終わらない気がした。
「人生は長い散歩である」と洒落くさい偉人の名言みたいになってしまうので、今回はこの辺で、夏を通して得た教訓で締め括ろうと思う。

次は貴方の住む街へ!!

 

 

余談だが、朝の町は基本的に静かだが、極々たまに良い音が聞こえてくる。
その瞬間しか摂取できないレア音。レア音のソノリティ。

排水溝を流れる水の音や、聞いたことのない鳥のさえずり...
その度に一応録音していたのだが、何かに有効活用できないだろうか?

 

思い立ったが吉日、録音した音声などを素材にして曲を作った。

soundcloud.com

散歩してるときに思い出したら、聞いてみてください。

これを作るために音楽制作ソフトを購入したら、約5万円が吹き飛んだので、来月は少し散歩を自重してバイトをしようと思う。

 

それでは、またどこかでお会いしましょう。ここまで読んでいただきありがとうございました。